賃貸住宅を探したり、家を購入・売却したりするとき、多くの人がお世話になるのが不動産会社です。信頼できる 不動産屋 見分け方を知っておくと、業者選びの目安になります。
しかし、
「この不動産屋を信用して大丈夫だろうか?」
「契約を急かされているけれど、本当に今決めなければならないの?」
「見積書にいろいろな費用が入っているけれど、全部必要なの?」
と不安になることもあるでしょう。
私は30年ほど前になりますが、不動産賃貸の営業を経験しています。
もちろん、当時と現在では法律や業界を取り巻く環境も大きく変わっています。そのため、昔の経験だけで現在の不動産業界を語ることはできません。
それでも、「お客さんの立場で説明してくれるか」「不利なこともきちんと話してくれるか」という信頼できる担当者の基本は、今も昔もそれほど変わらないのではないでしょうか。
この記事では、昔の不動産営業で実際に見聞きした経験も交えながら、信頼できる不動産会社・担当者を見極めるポイントを紹介します。
1.メリットだけでなくデメリットも説明してくれる
良い不動産担当者は、物件の良いところだけを説明するとは限りません。
たとえば、
- 駅から近いけれど交通量が多い
- 家賃は安いけれど築年数が古い
- 日当たりは良いけれど夏は室温が上がりやすい
- 便利な場所だけれど周辺の騒音が気になる可能性がある
など、その物件の弱点についても説明してくれる担当者のほうが信頼できます。
どんな物件にも長所と短所があります。
「最高の物件です」「絶対ここがいいですよ」と良いことばかりを強調されるより、「こういう欠点もありますが、それでも希望条件には合っていると思います」と説明してくれる担当者のほうが、冷静に判断できるでしょう。
賃貸物件の内見で見るべきポイントについてはこちら ↓

2.「今日決めないとなくなります」と必要以上に契約を急かさない
人気物件が短期間で決まることは実際にあります。
そのため、「早めに決めたほうがいい」という担当者の言葉が、すべて営業トークというわけではありません。
ただし、
「今すぐ申し込まないとなくなります」
「今日中に決めてください」
「他にも何人も申し込みそうです」
などと繰り返し言われ、考える時間をほとんど与えてもらえない場合は、一度冷静になることも必要です。
特に高額な契約では、分からないことを質問し、納得したうえで判断することが大切です。
急がせることと、正確な情報を伝えて判断を促すことは別物です。
信頼できる担当者なら、急ぐ理由についても具体的に説明してくれるはずです。
賃貸物件の入居審査についてはこちら ↓

3.契約前に支払う「申込金・預り金」の説明が明確
ここは、私自身の昔の経験から特に注意してほしいところです。
30年ほど前、私が不動産賃貸の仕事をしていたころ、社内で入居申込時にお客さんからお金を預かることが通例でありました。
お客さんから事情が変わったためキャンセルしたいと申し出があると、
「もう大家さんに渡してしまったので返せません」
「あなたが申し込んだから、他のお客さんを断っているんですよ」
などと説明して、返金しないケースを私は実際に見聞きしました。
ところが、実際にそのお金は大家さんへ渡しておらず、店に残っていることもありました。
地方から札幌へ引っ越す予定だった若い女性が、簡単には札幌まで来られないという事情から、初期費用に相当するまとまった金額を預けていたケースも記憶しています。
事情が変わってキャンセルすることになりましたが、同じような説明を受けていました。
これは30年前の私の経験であり、現在の不動産会社でも同じことが行われているという意味ではありません。
しかし、現在でも「申込金・預り金」をめぐるトラブルそのものが完全になくなったわけではありません。
国土交通省は、賃貸借契約が成立する前に不動産業者から要求されて支払った申込金について、預り金として返還を請求できると説明しています。
実際に近年でも、賃貸借契約の申込みが撤回され、預り金の返還を求められたにもかかわらず返還を拒否したことを理由として、宅建業者が行政処分を受けた事例があります。
そのため、契約前にお金を求められたら、
「これは何のお金なのか」
「契約しなかった場合は返還されるのか」
「預り証は発行されるのか」
を必ず確認しましょう。
※正式な契約成立後の「手付金」などは別の法律関係が生じる場合があります。申込金・預り金と混同しないことが大切です。
※賃貸契約の申し込みについては、全宅連のハトマークサイト「借りるときに知っておきたいこと」も参考になります。 ↓
4.初期費用の内訳をきちんと説明してくれる
賃貸契約では、家賃以外にもさまざまな費用が発生します。
敷金、礼金、仲介手数料、保証会社の保証料、火災保険料、鍵交換費用など、物件や契約内容によって項目は異なります。
さらに、消臭・抗菌施工や24時間サポートなどのサービスが含まれている場合もあります。
ここで重要なのは、金額だけを見るのではなく、「何のための費用なのか」「必須なのか任意なのか」を確認することです。
信頼できる不動産会社であれば、
「これは大家さんに支払う費用です」
「これは保証会社に支払います」
「このサービスについてはこういう内容です」
と、一つひとつ説明してくれるでしょう。
分からない費用があれば、遠慮せずに聞いて構いません。
「みなさん払っていますから」だけで済ませず、内容をきちんと説明してくれるかどうかも担当者を見極めるポイントです。
初期費用の詳しい説明についてはこちら ↓

5.質問に対して、分からないことを「確認します」と言える
意外に思われるかもしれませんが、何を質問しても即答する担当者が必ずしも優秀とは限りません。
物件について担当者自身が把握していないこともあります。
そんなとき、
「おそらく大丈夫だと思います」
「たぶん問題ありません」
と曖昧な回答をするより、
「分からないので大家さん(管理会社)に確認します」
と言える担当者のほうが信頼できる場合があります。
不動産契約では、小さな思い込みが入居後のトラブルにつながることがあります。
分からないことを分からないと言い、確認してから正確に回答する。
これは非常に大切な姿勢だと思います。
6.こちらの希望に合わない物件を無理に勧めない
不動産会社へ行く前に、
「家賃は○万円以内」
「駅から徒歩○分程度」
「駐車場が必要」
「2階以上がいい」
など、譲れない条件を決めておくとよいでしょう。
そのうえで担当者が、その希望をどの程度尊重してくれるかを見ます。
もちろん、すべての条件を満たす物件が見つからないこともあります。
その場合でも、
「この条件を外せば物件数が増えます」
「この地域まで広げれば予算内で探せます」
など、条件を変更する理由を説明してくれる担当者なら納得して検討できます。
反対に、こちらの希望をほとんど聞かず、会社側が決めたい物件ばかりを強く勧めてくる場合は注意したほうがよいでしょう。
7.「会社の大きさ」だけでなく担当者を見る
「大手だから絶対安心」「小さな不動産会社だから不安」と単純に判断するのもおすすめしません。
会社としての管理体制や教育制度はもちろん重要ですが、実際に私たちと話をするのは一人の担当者です。
説明が丁寧か。
質問にきちんと答えてくれるか。
都合の悪いことも説明してくれるか。
こちらの話を聞いてくれるか。
費用について明確に説明してくれるか。
こうした日々の対応を見ることも、不動産会社選びでは重要です。
また、宅地建物取引業者については、国土交通省などの公的な情報を利用して確認する方法もあります。
口コミだけですべてを判断するのではなく、必要に応じて宅建業者としての情報や行政処分歴などを確認するのも一つの方法です。
※不動産会社の行政処分歴などは、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で確認することができます。不安がある場合は、契約前に一度確認してみるのもよいでしょう。
不動産屋に行く前に覚えておきたいこと
不動産会社とお客さんの間には、どうしても知識の差があります。
一般の人が賃貸住宅を契約したり、不動産を購入・売却したりする機会は、一生のうち何十回もあるものではありません。
一方、不動産会社は毎日のように契約を扱っています。
だからこそ、
「分からないことを質問するのは恥ずかしい」
と思う必要はありません。
むしろ分からないことほど確認してください。
そして、その質問に対して担当者がどのように対応するのかを見ること自体が、信頼できる不動産会社を見極める材料になります。
まとめ|良い不動産屋は「契約させる人」ではなく「判断材料を与えてくれる人」
信頼できる不動産会社・担当者を見極めるポイントをまとめると、
- メリットだけでなくデメリットも説明する
- 必要以上に契約を急かさない
- 申込金や預り金について明確に説明する
- 初期費用の内訳を説明する
- 分からないことは確認してから回答する
- 希望に合わない物件を無理に勧めない
- お客さん自身が判断できる材料を提供する
という点が大切だと思います。
私が不動産賃貸の仕事をしていたのは30年ほど前です。
当時と現在では法律や業界のルール、消費者を取り巻く環境も変わりました。
それでも、良い担当者の基本は変わらないと思います。
お客さんが知らないことにつけ込むのではなく、お客さんが理解して自分で判断できるように説明すること。
これこそが、信頼できる不動産会社・担当者を見極める一番大切なポイントではないでしょうか。・


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