「気に入った部屋が見つかったのに、入居審査に落ちてしまった……」
賃貸マンションやアパートを借りるとき、多くの場合「入居審査」が行われます。
しかし、どのような基準で審査されているのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
「年収が低いと落ちるの?」
「正社員じゃないと借りられない?」
「過去に家賃を滞納したことがあるとダメ?」
など、不安に感じることもあるでしょう。
入居審査の基準は、貸主や管理会社、保証会社などによって異なり、すべての物件に共通する明確な合格ラインがあるわけではありません。
そのため、一つの物件で審査に通らなかったからといって、どの賃貸物件も借りられないということではありません。
この記事では、賃貸の入居審査で一般的に確認されるポイントを7つ紹介するとともに、審査に落ちる可能性が高くなるケースや、審査に通らなかった場合の対処法についてわかりやすく解説します。
賃貸の入居審査とは?
賃貸住宅では、申し込みをしただけですぐに契約できるとは限りません。
一般的には申し込み後に入居審査が行われます。
貸主側からすれば、大切な住宅を長期間貸すことになります。
そのため、
「家賃を継続して支払ってもらえるか」
「安心して物件を貸せる人か」
といった点を確認する必要があります。
現在では保証会社を利用する賃貸物件も多く、貸主や管理会社だけではなく、保証会社による審査が行われる場合もあります。
ただし、審査基準は一律ではありません。
同じ人が申し込んでも、Aという物件では通らなかったものの、Bという物件では問題なく契約できるということもあります。
「入居審査に落ちた=自分は賃貸住宅を借りられない」と考える必要はありません。
入居審査の基本的な流れや、申し込みから契約までの仕組みについては「賃貸マンション・アパートの入居審査とは?審査の流れとチェックされるポイント」で詳しく解説しています。 ↓

賃貸の入居審査でチェックされるポイント7選
それでは、入居審査ではどのようなところを見られるのでしょうか。
代表的なポイントを7つ紹介します。
① 家賃を支払えるだけの収入があるか
まず重要になるのが、家賃を継続して支払えるかどうかです。
例えば収入に対して家賃があまりにも高ければ、
「毎月きちんと家賃を払っていけるだろうか」
と判断される可能性があります。
一般的に「家賃は月収の3分の1程度まで」などと言われることがありますが、これは絶対的な審査基準ではありません。
実際には収入だけでなく、勤務状況や預貯金、保証会社など、さまざまな要素から判断される場合があります。
大切なのは、自分の収入に対して無理のない家賃の物件を選ぶことです。
家賃が高すぎる物件に申し込んで審査を心配するより、毎月余裕を持って支払える物件を選ぶほうが、入居後の生活にも安心感があります。
② 勤務先・雇用形態・勤続年数
入居申し込みでは、勤務先や職業、勤続年数などを記入することがあります。
正社員で勤続年数が長ければ、収入の安定性を判断する一つの材料になるでしょう。
しかし、
「正社員でなければ賃貸住宅を借りられない」
ということではありません。
契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、自営業などでも賃貸住宅を借りている人はたくさんいます。
重要なのは雇用形態だけではなく、家賃を継続して支払える状況にあるかどうかです。
転職したばかりで勤続年数が短い場合などは、必要に応じて不動産会社へ事情を説明しておくとよいでしょう。
③ 過去の家賃支払い状況など
過去の家賃滞納などが審査に影響する場合があります。
特に保証会社を利用する場合、その会社や審査の仕組みによって確認される情報は異なります。
ここで注意したいのは、
「すべての保証会社が同じ情報を使い、同じ基準で審査しているわけではない」
ということです。
インターネット上では「○○をしたら絶対に審査に落ちる」といった情報を見かけることがありますが、入居審査はそれほど単純ではありません。
過去の支払いについて心当たりがある場合は、申し込み前に不動産会社へ相談してみるのも一つの方法です。
④ 申込書の内容に間違いや不自然な点がないか
意外に重要なのが、入居申込書の内容です。
勤務先、年収、勤続年数、連絡先など、申し込み時にはさまざまな情報を記入します。
ここで大切なのは、正確な情報を書くことです。
審査に通りたいからといって、年収を実際より多く書いたり、勤務先などについて事実と異なる内容を記載したりするのは避けましょう。
確認の過程で内容の食い違いがわかれば、かえって信用を失う可能性があります。
わからない項目があれば適当に記入せず、不動産会社の担当者に確認しましょう。
⑤ 本人確認や連絡がきちんと取れるか
審査の過程で、本人や勤務先、緊急連絡先などへ確認の連絡が入る場合があります。
電話があったからといって、それだけで何か問題があるというわけではありません。
しかし、何度連絡しても本人と連絡が取れない、申込書に書かれた電話番号が間違っているといった状況では、審査が進まない可能性があります。
申し込み後は、知らない番号から着信があった場合でも、留守番電話やSMSなどを確認しておくと安心です。
⑥ 保証会社の審査に通るか
現在の賃貸契約では、家賃保証会社への加入を条件としている物件もあります。
保証会社は、入居者が家賃を支払えなくなった場合などに、契約内容に基づいて貸主へ家賃を立て替える仕組みを提供しています。
そのため保証会社側でも審査を行います。
ただし保証会社は一社ではなく、審査方法や基準も同じではありません。
一つの保証会社の審査に通らなかった場合でも、別の保証会社を利用できる物件であれば状況が変わる可能性があります。
保証会社について不安がある場合は、物件を申し込む前に不動産会社へ相談しておくとよいでしょう。
⑦ 貸主が安心して物件を貸せるか
数字だけでは判断できない部分もあります。
貸主側にとって賃貸契約は、
「自分の所有する住宅を他人に長期間貸す契約」
です。
そのため、家賃の支払い能力だけでなく、契約上のルールを守ってもらえそうかという点が判断材料になる場合もあります。
例えば不動産会社とのやり取りで、必要な書類をなかなか提出しない、連絡が極端に取れない、申込内容について説明が何度も変わるといったことは避けたいところです。
特別に良く見せようとする必要はありません。
質問されたことに正直に答え、必要な手続きをきちんと進めることが大切です。
入居審査に落ちやすくなる可能性があるケースとは?
ここまでの内容を整理すると、次のような場合は審査が慎重になる可能性があります。
- 収入に対して希望する物件の家賃が高い
- 収入や勤務状況を確認しにくい
- 過去の家賃支払いなどに問題がある
- 申込書に間違いや虚偽がある
- 本人確認などの連絡が取れない
- 保証会社の審査に通らない
- 貸主側が契約に不安を感じる事情がある
ただし、これらのどれか一つに該当したからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。
例えば勤続年数が短くても、転職したばかりという明確な理由がある人もいます。
収入が少なくても、家賃の低い物件なら問題にならない場合もあります。
入居審査は一つの条件だけで決まるものではないと考えておきましょう。
無職だと賃貸の入居審査には通らない?
「現在仕事をしていないと部屋は借りられないのでしょうか?」
これもよくある疑問です。
無職だからといって、必ず入居審査に落ちるとは限りません。
例えば、
「退職して転職活動中」
「就職先は決まっているが、まだ勤務開始前」
「十分な預貯金がある」
など、人によって事情は異なります。
物件によっては預貯金を確認する「預貯金審査」などが可能なケースもあります。
また、連帯保証人や保証会社などによって契約できる場合もあります。
重要なのは、無職であることを隠すことではありません。
現在の状況を正直に不動産会社へ伝え、その条件でも申し込める物件を探してもらうことです。
高齢者は入居審査に落ちやすい?
50代、60代、そしてその先の住まいを考えている方にとっては、年齢も気になるところでしょう。
高齢であることだけを理由に、すべての賃貸住宅を借りられなくなるわけではありません。
一方で貸主側が、
- 家賃の支払い
- 緊急時の連絡
- 健康面や孤独死への不安
などを考慮するケースはあります。
そのため、緊急連絡先や保証会社、見守りサービスなどが契約条件に関係することもあります。
年齢を重ねてからの住み替えを考えているのであれば、条件に合った物件を扱っている不動産会社へ早めに相談することも大切です。
入居審査に落ちたらどうすればいい?
入居審査に通らなかったとしても、必要以上に落ち込む必要はありません。
審査基準は貸主や管理会社、保証会社、物件によって異なるからです。
まずは不動産会社の担当者に、
「ほかに申し込めそうな物件はありますか?」
と相談してみましょう。
場合によっては、
- 家賃を少し下げた物件を探す
- 別の保証会社を利用できる物件を探す
- 必要に応じて連帯保証人を検討する
- 預貯金など別の方法で支払い能力を示せる物件を探す
- 高齢者や無職など、それぞれの事情に対応した物件を探す
といった方法が考えられます。
なお、審査に落ちた具体的な理由については、問い合わせても詳しく教えてもらえないことがあります。
「なぜ落ちたのか」だけにこだわるより、次に申し込める物件を不動産会社と一緒に探すほうが現実的でしょう。
高齢者や低額所得者など、賃貸住宅を借りることに不安がある方には、国の「住宅セーフティネット制度」という仕組みもあります。住宅確保に配慮が必要な方の入居を拒まない「セーフティネット登録住宅」や、住まい探しを支援する居住支援法人などがあります。詳しくは国土交通省の「住宅セーフティネット制度」を確認してみてください。
入居審査に通るために「嘘をつく」のは逆効果
審査が不安になると、
「年収を少し多く書いたほうがいいのでは?」
「勤続年数を長く書けば通りやすいのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、これはおすすめできません。
勤務先や収入などについて確認が行われれば、内容の違いがわかる可能性があります。
何より賃貸契約は、貸主と借主の信頼関係の上に成り立っています。
審査を通過するために事実と違うことを書くのではなく、
「現在の自分の条件で借りられる物件を探す」
ことが大切です。
不安な事情があるなら、申し込みをしてから発覚するより、最初に不動産会社へ相談しておくほうがよいでしょう。
入居審査の前に確認しておきたい5つのこと
気に入った物件が見つかったら、申し込み前に次の点を確認してみましょう。
- 家賃が自分の収入に対して高すぎないか
- 申込書に記載する勤務先や収入などの情報は正確か
- 必要書類を準備できるか
- 緊急連絡先などを確認しているか
- 審査について心配な事情があれば担当者へ事前に相談したか
入居審査には「必ず通る方法」があるわけではありません。
だからこそ、特別な裏技を探すより、正確な情報を伝え、自分に合った物件へ申し込むことが基本になります。
まとめ|入居審査に落ちても「賃貸住宅を借りられない」わけではない
賃貸の入居審査では、主に次のようなポイントが確認されます。
- 家賃を支払えるだけの収入があるか
- 勤務先・雇用形態・勤続年数
- 過去の家賃支払い状況など
- 申込書の内容に問題がないか
- 本人確認や連絡が取れるか
- 保証会社の審査に通るか
- 貸主が安心して物件を貸せるか
ただし、入居審査には全国共通の一つの基準があるわけではありません。
一つの物件で審査に通らなかったとしても、別の物件や別の保証会社では結果が変わることがあります。
また、正社員ではない、勤続年数が短い、現在無職である、高齢であるといった事情だけで、最初から「自分は部屋を借りられない」と諦める必要もありません。
大切なのは、自分の状況を正直に伝えること。
そして、その条件に合った物件を一緒に探してくれる不動産会社へ相談することです。
入居審査を必要以上に怖がらず、無理なく家賃を支払える、自分に合った住まいを探していきましょう。


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