50代で地方移住すると仕事はどうする?移住前に考えたい仕事探しと働き方【2026年版】

50代の地方移住で仕事探しや働き方を考える夫婦のイメージ 暮らし

「都会を離れて、もう少し静かなところで暮らしたい」

「50代になり、これからの人生を考えて地方移住に興味が出てきた」

そんな人もいるのではないでしょうか。

自然が豊かな地域で暮らしたり、これまでとは違う環境で新しい生活を始めたりすることは、50代からでも十分考えられる選択肢です。

しかし、実際に移住するとなると避けて通れない問題があります。

それが「仕事」と「収入」です。

定年後で十分な資金がある場合を除けば、50代では移住後も働き続ける人が多いでしょう。

ところが、

「地方なら何か仕事があるだろう」

「家賃が安いから給料が下がっても大丈夫だろう」

と考えて、仕事を決めないまま移住してしまうのは少し心配です。

今回は、50代で地方移住を考えている人に向けて、移住先での仕事の探し方や働き方、収入について考えておきたいポイントを紹介します。


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50代の地方移住では「仕事」を後回しにしない

地方移住を考えると、最初に気になるのは住まいかもしれません。

インターネットで地方の中古住宅を探して、

「こんな家がこの価格で買えるのか」

と驚くこともあるでしょう。

しかし、50代でまだ働く必要があるのであれば、住宅探しと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが仕事です。

気に入った町を見つけて移住したものの、

  • 希望する仕事がほとんどない
  • 想像していたより給料が低い
  • 通勤には車が必要だった
  • 年齢条件などで応募できる求人が少ない

ということになれば、せっかくの移住生活を続けることが難しくなるかもしれません。

「住みたい場所」と「働ける場所」が同じとは限らない。

これは50代の地方移住で、最初に考えておきたいポイントです。


できれば移住する前に求人を調べておこう

移住してから仕事を探す方法もありますが、50代であれば、できるだけ移住前から求人状況を調べておくことをおすすめします。

必ずしも就職先まで決めておく必要はありません。

まずは、

「自分の経験で応募できる仕事がどのくらいあるのか」

「給料はいくらくらいなのか」

「正社員求人はあるのか」

「60代になっても続けられそうな仕事なのか」

を確認するだけでも違います。

ハローワークや求人サイトだけでなく、自治体の移住相談窓口などで仕事の情報を得られる場合もあります。

実際に移住するかどうかを決める前に、その地域の求人を数か月見ておくのも一つの方法です。

いつ見ても求人がある仕事なのか。

たまたま今だけ募集している仕事なのか。

継続して求人情報を見ることで、その地域の雇用事情も少しずつ見えてきます。

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50代だからこそ「これまでの経験」を捨てない

地方へ移住することをきっかけに、

「まったく違う仕事をしてみたい」

と考える人もいるでしょう。

それも一つの選択肢です。

ただ、50代からの仕事探しでは、これまで身につけてきた経験や資格を一度整理してみることも大切です。

例えば、

  • 清掃
  • 警備
  • 設備管理
  • 介護・福祉
  • 建設・修繕
  • 運送
  • 製造
  • 調理
  • 営業
  • 接客
  • 事務
  • 不動産関連

など、これまで経験してきた仕事が地方でも必要とされている可能性があります。

若いころのように「これから何にでも挑戦する」という考え方だけではなく、

「今までやってきたことの中で、移住先でも使えるものはないか」

と考えてみるのも50代ならではの仕事探しです。

資格についても同じです。

自動車運転免許をはじめ、電気・設備・危険物・介護・不動産などの資格が、地方での仕事探しに役立つ場合があります。

移住するからといって、それまで積み上げてきたものを全部捨てる必要はありません。


地方なら生活費が安いとは限らない

「地方は生活費が安い」

というイメージを持っている人もいるでしょう。

確かに、都市部と比較して家賃や住宅価格が安い地域はあります。

しかし、家賃が安い=生活費全体が安い、とは限りません。

地方では車がなければ生活しにくい地域もあります。

車を所有すれば、

  • 車両購入費
  • ガソリン代
  • 自動車税
  • 自動車保険
  • 車検代
  • タイヤ代
  • 修理・整備費

などがかかります。

雪国ならスタッドレスタイヤが必要になることもあります。

さらに寒冷地では冬の暖房費が大きくなる可能性があります。

家賃が都市部より2万円安くなっても、車や暖房などに毎月それ以上のお金がかかれば、必ずしも生活費が下がるとは限りません。

そのため仕事を探すときは、給料だけを見るのではなく、

「その地域で暮らすには毎月いくら必要なのか」

を先に計算してみることをおすすめします。


50代の地方移住で考えられる働き方

地方移住後の働き方は、地元企業への就職だけではありません。

現在の仕事や経験によっては、いくつかの選択肢があります。


地方移住後の仕事を探す場合は、公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構が運営する「ニッポン移住・交流ナビ JOIN」も参考になります。就職だけでなく、起業やフリーランス、地域おこし協力隊など、地方でのさまざまな働き方に関する情報が掲載されています。「ニッポン移住・交流ナビ JOIN」


1.移住先の企業へ就職する

最も一般的なのは、移住先にある企業や事業所で働く方法です。

ハローワーク、求人サイト、自治体の就職情報などを利用して探します。

ただし同じ職種でも、都市部と地方では給与水準や求人件数が違うことがあります。

移住前に複数の求人を比較しておきましょう。

2.現在の仕事をリモートで続ける

勤務先がフルリモート勤務を認めているのであれば、現在の仕事を続けながら地方へ移住できる可能性があります。

収入を維持したまま生活環境だけを変えられるのは大きなメリットです。

ただし会社によって勤務場所に関する規定が異なるため、必ず勤務先に確認しましょう。

3.これまでの経験や資格を生かす

50代の場合、これは現実的に検討したい方法です。

長年続けてきた仕事だけでなく、

「昔やっていた仕事」

「持っているけれど使っていなかった資格」

まで一度棚卸ししてみましょう。

自分では大した経験ではないと思っていたことが、移住先では必要とされていることもあります。

4.農林水産業など地域の仕事を探す

農業、林業、漁業など、その土地ならではの産業で働く方法もあります。

ただし、

「自然の中で働けそうだから」

というイメージだけで決めるのは避けたいところです。

仕事内容、収入、勤務時間、体力的な負担、季節による仕事量の変化などを十分確認しましょう。

自治体によっては就農などの支援制度を設けている場合もあります。

5.地域おこし協力隊という方法もある

地方で働く方法の一つに「地域おこし協力隊」があります。 総務省「地域おこし協力隊~移住・地域活性化の仕事へのチャレンジを支援します!」

地域おこし協力隊は、都市地域などから地方へ生活拠点を移した人が、自治体の委嘱などを受け、地域ブランドや地場産品の開発・販売、地域づくり、農林水産業などさまざまな地域協力活動に取り組む制度です。

制度そのものに一律の年齢制限があるわけではなく、50代で活動している人もいます。

ただし、自治体によって募集条件、雇用形態、報酬、活動内容、年齢要件が異なります。任期は原則としておおむね1年以上3年以下であるため、任期終了後の就職・起業・事業承継まで含めて確認しましょう。

「50代だから応募できない」と最初から考える必要はありませんが、希望する自治体の募集要項を一つずつ確認する必要があります。 


地域おこし協力隊は「普通の転職」とは少し違う

地域おこし協力隊については、もう一つ注意したいことがあります。

一般企業へ転職する感覚だけで考えないほうがよいでしょう。

地域住民との交流や情報発信、イベントの企画、地域産業への協力など、人との関わりが多い活動もあります。

募集によって仕事内容は大きく違います。

そのため、

「地方に住めて仕事もあるから」

という理由だけで応募するのではなく、自分の性格や経験に合った活動なのかを確認することが大切です。

50代であれば、これまでの社会人経験を生かせる募集を探すという考え方もできます。


起業という方法もあるが、慎重に考えたい

地方移住を機に起業する人もいます。

飲食店、農業、宿泊施設、地域サービス、オンラインを利用した事業など、さまざまな可能性があります。

国には、地域の課題解決につながる社会的事業を新たに起業する人などを対象とした「起業支援金」の仕組みもあり、対象となれば起業に必要な経費の一部について支援を受けられる場合があります。

ただし、地方へ移住すれば誰でも起業資金をもらえる制度ではありません。

対象地域や事業内容などに条件があります。

50代から起業する場合には、初期費用だけでなく、

「事業が軌道に乗るまで生活できる資金があるか」

「失敗した場合に生活を立て直せるか」

まで考えておきたいところです。


移住支援金は「移住すれば誰でももらえる」わけではない

地方移住について調べていると「移住支援金」という言葉を目にすることがあります。

国は地方公共団体を通じ、東京圏から地方へ移住して対象となる中小企業などへ就職する人や、一定の要件を満たす人などを対象とする移住支援の仕組みを設けています。

しかし、これは全国どこからどこへ移住しても一律に支給される制度ではありません。

移住元、移住先、就業先などさまざまな条件があります。

自治体独自の移住支援制度が設けられていることもありますので、

「自分は対象になるのか」

を移住する前に自治体の公式サイトや窓口で確認しましょう。

制度は変更されることもあるため、ブログやSNSだけで判断せず、必ず最新の公式情報を確認することが大切です。


移住先が決まっていなくても相談できる

「地方へ移住したいけれど、どこへ行けばいいのか分からない」

という段階でも相談できる窓口があります。

東京・有楽町にある「ふるさと回帰支援センター・東京」では、全国各地への移住相談を無料で受け付けています。

移住先がまだ決まっていない人向けの相談もあり、

  • 希望する暮らし
  • 気候や自然環境
  • 車中心の生活ができるか
  • 働き方
  • 移住する時期
  • 完全移住か二地域居住か

などを整理しながら相談できます。

※ 東京・有楽町のふるさと回帰支援センターでは移住相談ができ、同じ東京交通会館8階にはハローワーク飯田橋の地方就職支援コーナーもあります。移住相談と地方求人の検索・職業相談を組み合わせて利用できます。ただし、雇用保険や職業訓練などの手続きは、通常のハローワーク窓口で確認が必要です。

「移住する」と決めてから相談するのではなく、「移住しようか迷っている」段階で利用するのもよいでしょう。


移住先ではまず賃貸住宅で暮らしてみるとしても、現在持ち家に住んでいる方は「今の家をどうするか」という問題もあります。

すぐに売却せず、将来戻る可能性を残しておきたい場合には、現在の持ち家を賃貸に出す方法も選択肢の一つです。

持ち家を貸すまでの流れや費用、普通借家・定期借家の違い、管理方法などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 ↓

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50代なら「60代になっても続けられる仕事か」も考えたい

50代の仕事探しで、もう一つ考えておきたいことがあります。

それは、

「この仕事を何歳まで続けられるだろうか」

ということです。

50歳で移住する人と59歳で移住する人では状況が違いますが、いずれにしても60代はそれほど遠い将来ではありません。

給料が高くても体力的に非常に厳しい仕事なら、数年後に再び仕事を探すことになるかもしれません。

反対に、多少収入が下がったとしても、自分の経験を生かしながら長く続けられる仕事のほうが合っている場合もあります。

正社員だけでなく、

正社員から再雇用へ移れるのか。

60歳や65歳以降も働けるのか。

勤務時間を短くできるのか。

こうしたところまで確認しておくと、移住後の生活を長期的に考えやすくなります。


仕事だけでなく病院・買い物・交通も確認する

仕事が見つかったからといって、それだけで移住先を決める必要はありません。

50代からの移住では、

「働く場所」と「生活する場所」の両方を見ることが大切です。

職場まで車で10分でも、病院まで40分かかるかもしれません。

近くにスーパーがあっても、車を運転しなくなったら行けなくなるかもしれません。

仕事を探すときには、

「職場まで何分か」

だけでなく、

「病院まで何分か」

「スーパーまで何分か」

「公共交通機関はあるか」

も一緒に地図で確認してみましょう。

50代では問題なくても、70代になったときの暮らしやすさは違ってくる可能性があります。


いきなり家を買わず「賃貸で試す」という方法も

仕事の候補が見つかり、住んでみたい地域が決まったとしても、すぐに住宅を購入する必要はありません。

初めて暮らす地域なら、まず賃貸住宅で生活してみる方法があります。

実際に暮らしてみなければ、

冬の寒さや雪、

夏の暑さ、

通勤、

買い物、

病院、

近所との付き合い、

車中心の生活、

などはなかなか分かりません。

半年から1年ほど暮らしてみて、

「この町なら長く暮らしていけそうだ」

と思ってから住宅購入を考えても遅くはありません。

地方では手頃な中古住宅が見つかることもありますが、価格の安さだけで購入を急がないことが大切です。


地方移住では、仕事と同じくらい「住まい選び」も重要です。気に入った地域が見つかっても、すぐに家を購入するのではなく、まず賃貸で暮らして地域との相性を確かめる方法もあります。詳しくは「50代の地方移住は家を買う前に賃貸で試すべき?後悔しない住まい選びを解説」で紹介しています。 ↓

50代の地方移住は家を買う前に賃貸で試すべき?後悔しない住まい選びを解説
「定年を迎える前に、自然の多い場所で暮らしてみたい」「都会を離れて、これからは静かなところで暮らしたい」50代になると、これから先の人生を考えて、地方移住に興味を持つ人もいるのではないでしょうか。地方では都市部と比べて手頃な価格の中古住宅が…

まとめ|50代の地方移住は「仕事・住まい・暮らし」をセットで考えよう

地方移住には、新しい環境で新しい人生を始められる魅力があります。

50代からでも決して遅いとは思いません。

ただし、まだ働く必要がある人にとって、仕事は移住生活を支える重要な部分です。

「地方へ行けば何か仕事があるだろう」

ではなく、

移住する前に、その地域で自分が働ける仕事があるのかを調べてみる。

そして、

その収入で本当に生活できるのかを計算してみる。

さらに、仕事だけではなく、住まい、病院、買い物、交通、気候なども確認する。

50代だからこそ、これまで積み上げてきた経験や資格を生かしながら、60代、70代の生活まで少し先を見て移住を考えてみてはいかがでしょうか。

地方移住は、仕事を変えるだけでも、家を変えるだけでもありません。

「これからどんな暮らしをしたいのか」を考え、その暮らしを実現できる仕事と住まいを探すこと。

それが、50代からの地方移住で後悔を少なくするための大切な準備だと思います。

※移住支援金、地域おこし協力隊、自治体独自の補助制度などは、対象条件や募集内容が異なり、変更される場合があります。利用を検討する際は、国や各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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